東洋経済2016/03/26号より
「スマホの端末代金実質ゼロ円がわずか1ヶ月で復活」の記事。
今年1月、総務省が市場の健全化と消費者トラブルの防止のため、実質ゼロ円で購入が可能となる販売方式を規制する「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン(案)」が公開され、
それに伴いケータイキャリア主要3社が「2月から実質ゼロ円の販売をやめる」と表明していたのだ。
しかし、総務省案の規制に穴があり、表題のように脱法まがいの商法で実質ゼロ円商法が復活したらしい。
その手法はシンプルで、端末の買い取りは規制されていないため、顧客が持っている古いスマートフォンを高く買い取り、端末代金を穴埋め。実質ゼロ円で加入させることができる。
このような規制の抜け穴を利用し、既にソフトバンクとauが実質ゼロ円を開始、ドコモは、実質ゼロ円に抵触しないように、学割や2人以上家族で加入した場合のみ、下取りによる値引きをしているそうだ。
結局、このような商売で損害を被るのは、騙されて契約した顧客や、ネットを頻繁に利用しない低リテラシーの顧客、長期契約で利用している上客である。
(規制の)「穴は絶対埋める」総務省関係者
ガイドラインが適用される4月1日移行、販売方法がさらに限定されるのは必至。また、端末値引きの原資となる販売奨励金の削減や、長期ユーザーを優遇する取り組みがなされているか報告する義務も、携帯会社に課せられる見込みだ。(同記事より)
このように総務省が厳しい態度に出るのも当然で、2014年集計の消費者調査では通信回線や関連するデジタルコンテンツの契約による相談件数が吐出しており相応の被害者が潜在する。
※消費者庁資料を引用
http://www.caa.go.jp/information/hakusyo/2015/honbun_1_3_1_1.html#m04
2014年度の消費生活相談を、相談件数と実際に支払った相談1件当たりの金額(平均既支払額)の関係で見たところ、デジタルコンテンツやインターネット接続回線等の「運輸・通信サービス」が27万件を超えて最も相談件数が多く、2番目の「金融・保険サービス」を3倍近く上回り、他の商品・サービスの相談と比べ突出しています
価格・サービスに不満のある顧客はMVNOの利用を検討してほしい
被害にあわないためには自衛するしかない。
大手キャリア最安値のデータ通信プランは最も安い月額費用で2980円(月1GB)だが、MVNOだと1000円未満で3GB程度利用可能なので、回線の契約自体を見直すことで通信費用を払う必要がなくなる。オプション商法も回避することができる。電波利権と揶揄される業界ではあるが、大幅に規制緩和された現在は消費者自身が自衛することができる。